ごあいさつ
東京にあこがれて、文学にあこがれて、文学をテーマに東京の街歩きをしてみたいと思ったのがきっかけで、いつしか夏目漱石にはまってしまいました。
2016年の漱石没後100年、2017年の漱石生誕150年。節目の年を過ぎようという今、次の節目の年にむかって、漱石を引き継いでゆきたいと、勝手に「漱石文学館」を開館しました。この文学館が、漱石を知り、語り合う場になれば嬉しいです。
2017年10月
勝手に漱石文学館
館長 北野豊
今日のつぶやき
【館長のつぶやき】

ある日、堀沿いの柵のポールに二羽のカラスがとまっていました。じっと見つめる先のポールに、どこかのおじさんが餌を置いた瞬間、二羽のカラスは餌めがけて突進。ところがつぎの瞬間、一羽がさっと後ろに跳び、見事に先ほどのポールに着地。私は生まれて初めて、カラスが後ろに跳ぶのを見ました。それとともに、ものすごい感動が。だって、人間なら餌をめぐって争うでしょう。どんなに威張ってみても、人間はカラスに勝てないと思いました。
半藤末利子さんが『硝子戸のうちそと』(講談社、2021年)の「びわとカラス」の章でこんなことを書いていました。ある日、半藤さんの家の前の電線にびっしりとカラスがとまっている。そのカラスが二、三羽さーっと飛び立って、入れ違いに後ろから電線目がけて帰ってくるのがいる。結局、カラスの目的が目の前のМさんの庭の巨大なびわの木の実を食べることであったことがわかります。半藤さんは、――二時間半ぐらいの間、じっと目を凝らして見入っていた私たちは、カラス社会にはあるルールが存在することを知って驚かされた。なぜって、カラスは餌を奪い合って喧嘩なんてしない。先発隊がある程度食べ終えて電線や電信柱に戻ってきてから、待機していた別のが目的地に向かって出発するのである。それが一糸乱れぬというか、実に秩序正しく行われるのである。これでは、カラスは繁殖こそすれ、絶滅種にはなりっこない。――と、書いています。
半藤さんの判断を借りれば、どうやら人類は絶滅危惧種であるようです。漱石が今から百余年前に警鐘を鳴らした、それとは違った言葉で、漱石の孫は今、私たち人類に警鐘を鳴らしているのではないだろうか。とにもかくにも、カラス社会のルールを目の当たりにすることができたのだと、半藤さんの文章を読んで、あらためて嬉しくなりました。まことに単純な人間ですね。

松山坊っちゃん会(漱石研究会)が会報第33号を発行しました。「事務局だより」のコーナーには、今年、松山市立子規記念博物館開館40年記念、子規没後120年の記念の年を迎えていることが書かれ、あわせて、熊本漱石倶楽部が創立20周年を迎えていることが紹介されていました。新型コロナウイルス感染症の流行にともない、集合による会合が困難になる中、会報の果たす役割は大きくなっていると言えるでしょう。
(『館長のつぶやき』より)
新着
連載 漱石こぼれ話』に『25.田端点描』を追加しました。
連載 漱石気分』が完結しました。
21世紀の木曜会』へのご参加、お待ちしてます。
長年の漱石研究の成果をもとに、何ものにも囚われない在野の視点から、漱石を描きます。今までの常識がひっくり返るような事実も浮かび上がってきます。順次、新しい章を追加、掲載していきます。お楽しみに。
漱石に関わる単発のテーマを、思いつくまま、気のむくままに、順次、掲載していきます。漱石気分に書き入れることができなかった「こぼれ話」です。お楽しみに。
漱石に関係あること、ないこと。館長が勝手気ままにつぶやきます。
漱石のもとを訪れる人が増え、漱石の負担を心配した弟子たちが、木曜日に限って漱石のもとに集まるという申し合わせをするようになりました。こうして生まれた木曜会には漱石も顔を出し、集まった人たちも忌憚のない意見を出し合いました。
「21世紀の木曜会」。連載に対する意見、感想をはじめ、漱石に関すること何でも、お互いに語り合い、意見交換、情報交換していきましょう。発言、お待ちしております。
北野豊著『漱石と歩く東京』『漱石と日本国憲法〜漱石からのメッセージ』の紹介と購入方法が書かれています。
漱石の作品を読みたい方、どうぞご利用ください。
クリックすると、「青空文庫」の漱石掲載作品一覧のページへ移動します。
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私のふるさと金沢が生んだ三文豪、泉鏡花・徳田秋聲・室生犀星に関するコーナーです。鏡花については漱石もかなり注目をしており、漱石は鏡花・秋聲に朝日新聞連載の便宜を図っています。犀星は漱石最後の、そしてもっとも才能ある門下生と言われる芥川龍之介と親しくなり、龍之介は漱石が果たせなかった金沢訪問を実現しています。そのような三文豪について、順次、私が書いた文章を掲載していきます。
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